【株式会社PDS Part3】生活習慣病に対しては頸動脈エコーが推奨度A!?

【株式会社PDS Part3】生活習慣病に対しては頸動脈エコーが推奨度A!?


2021年5月20日開催の第12回問診アカデミーで、株式会社PDSの渋谷様に「外来診療におけるエコー検査活用術」について伺いました。

▼目次

  1. 株式会社PDSの超音波検査委託システムの特徴3つ
  2. エコー検査依頼の結果病名ランキング
  3. 生活習慣病に対しては頸動脈エコーが推奨度A

株式会社PDSの超音波検査委託システムの特徴3つ


次に弊社の超音波検査委託システムの特徴を大きく3つ挙げさせていただきます。3つ目の雇用リスクの回避というのは、必要な時に必要な分だけ検査の予約を凝縮させていただいて検査を行うというところですね。1番目と2番目の「病気や検査の理解推進」「予約管理で定期来院を実現」というこの2項目に関してこの後詳しい説明をさせていただきたいと思います。


まず一つ目の「病気や検査の理解推進」の説明を行いたいと思います。一般の患者さんにとっては、「腹部エコーを行います」と言われたとしても、何の臓器を今日診ていただいたのか、さらにその中でそれぞれの臓器のどんな病気が自分は除外できたのかというところをしっかり知りたいと思います。


理解や納得をしない中で医療者側優位なままで進んでいくっていう実情を感じており、今日の検査の目的などを十分説明して行う必要があると思います。ですので、ご契約いただいたご施設様に配布資料をお渡ししてその資料をベースに検査前の1,2分を使って検査の目的などをご説明させていただいています。


吉永
技師さんから直接患者様に説明してから検査している形ですか。


渋谷
そうですね。検査の意義や検査の内容に関しては技師から十分説明を行うべきだと思っています。


吉永
説明しているのは珍しいと思いました。


渋谷
そうですね。検査の意義に関してはしっかりライセンスとしてはすべきだと思っているので、ここは私どもの義務だと思っています。


次に腹部エコーの依頼理由ランキングですね。今実際120施設の方で検査のご契約をいただいていますが、どのようなオーダーをいただいているかについてランキング付けさせていただきました。1位は肝機能異常で圧倒的に多いですね。


吉永
AST、ALTとかが上がってきた人に対して行うという形ですか。


渋谷
そうですね。検診で「異常値があったら医療機関を受診してください」と記載があり内科を受診されたときに行うことが多いです。あとは一般的に普通に生活習慣病で定期来院されている方が、肝機能が上がってきたかなということで腹部エコーを行う例も多いですね。


吉永
3番目の尿潜血は、1+とかでもオーダーされる先生とかいますか。


渋谷
場合によりけりですね。過去に苦い思いをされた先生の場合は結構出される場合が多いです。尿潜血があった際に何も検査を行わなかったら腎細胞癌や膀胱癌があったりですとか、そういった経験をされている先生は、一度しっかりオーダーをしておくという先生も多いです。


吉永
頻尿というのは頻尿プラス何かとかではなく頻尿でオーダーされるということですか。


渋谷
症状がある方ですね。頻尿に関しては体積を3辺を測って前立腺の体積をエコーで測れますのでそういったところで症状がある方に実際体積がどうなのかと、体積を計測して20~30ミリリットルで軽度前立腺肥大30ミリ以上で前立腺肥大という形になるのでそこから処方につなげたりとか泌尿器科の先生にご紹介していただいたりとかいうこともございますね。


吉永
前立腺肥大でお薬変わりますもんね。


渋谷
そうですね。あとはエコーの体積を測らないと処方できない薬というものもありますので、そのような理由でオーダーも増えています。また私ども検査を行っていても糖尿病患者さんの膵臓癌のの頻度も高いですし、そういったところを見ると、年一回膵臓、腎臓、脂肪肝のチェックでご活用いただいている先生が多いですね。


吉永

膵臓はなかなか描出が難しいと思っているので依頼した方が早いと思っています。


渋谷

そうですね。ですが、我々エコーしている中で、しっかり見ればくっきりと見える患者さんのほうが多いので、見えない人が多いという印象は全くないですね。また、最近ではエコー装置のクオリティもすごく上がっているので、膵管との合流に関しても十分合流があるかないかというのも主膵管との連続性があるかないかでも十分に見えますので、そのようなところで一時医療からそのMRCPを取るというようなオーダー、医療提携につなぐ頻度もどんどん増えているかもしれないですね。

エコー検査依頼の結果病名ランキング


続いて結果ランキングです。先ほどの依頼理由として肝機能異常のオーダーが多いので当然その結果としても脂肪肝が多いです。赤と黒で何が違うのかといいますと、赤に関してはしっかりフォローにつなげているという状況ですね。あとはここにはエコーで見つかるものとして当然、膵臓癌や腎細胞癌などの各種悪性腫瘍などもランキングには入っていないですが見つかっています。


吉永
検査結果レポートの際に技師さんのほうからどのくらいの間隔でフォローアップしてくださいみたいなのはつけられているのですか。


渋谷
はい。一般的にいろいろなガイドラインがある中で例えば胆嚢ポリープであればこういう風にすべきですとか、そうしたガイドラインをくまなく調べてどうすべきかに関して提案という形で先生にお示ししています。


例えば胆嚢内隆起性疾患に関しては、5㎜未満であれば1年フォロー、5~10mmのすこし大きめのもので有茎性という茎があり心配なさそうであれば6ヶ月フォロー、広茎性という茎がなく悪そうなものであれば、精密検査というようにこのようなチャートでお示しさせていただいています。


吉永

こちらをクリニックなどに提供されていらっしゃるのですか。


渋谷

そうですね。これはあくまで胆嚢の一例なんですけどもこれを全身に対してご用意させていただいているのが私どものサービスの一つとなります。


吉永

消化器内科の先生以外は1㎝以下の時にどのようにフォローアップしたらいいのかを全部覚えている先生は少ないかもしれないですね。


渋谷

どれくらいの期間でどれくらいの大きさになたのか、例えば前回3年前に行ったのにどれだけ増大しているかとか、その期間が空けば空くほどリスクも増大していきます。それを施設として、しっかりどういう基準でフォローしていくのかを各疾患ごとにまとめていくことが非常に大事だと思います。


生活習慣病に対しては頸動脈エコーが推奨度A


続いて頸動脈に関してお話しさせていただきます。頸動脈に関してはここ最近活用されている先生も増えてきていると思います。一つの要因としては、2017年に以前は二つあったガイドラインが一つにまとまりました。日本で頸動脈エコーを行う一つの指標がこうした形で提示されましたので、しっかり各医療機関でも行う頻度が高くなっていくのではないかと思っています。こちらはネットで「頸動脈エコーガイドライン」と検索すれば出てきますので気になる方が見ていただければと思いますが、この中で頸動脈超音波検査の意義(推奨度の現状)という記載があります。


吉永

推奨度Aなのですね。


渋谷

そうです。推奨度Aでレベル1です。生活習慣病には頸動脈超音波検査が勧められるという文言が明確に書いてあるので、外来の先生たちが積極的に行っている要因の一つといえます。そのため先生が自身のラインをしっかり決めてどの時点でオーダーするのかというのを明確に決めている先生も最近非常に増えてきております。


吉永
この推奨度から行きますと、どれか一つでも血圧、脂質異常症、糖尿病などが当てはまったらという感じですか。


渋谷
はい、そうですね。


吉永

相当数になりますね。


渋谷

おっしゃる通りです。生活習慣病の状態が悪いと事前にデータを見た時点でデータが悪い人は予想通り頸動脈エコーの結果も悪いということはあります。ただ、大した事がないのにもかかわらず高度狭窄という場合も一定数ありますので意外とスクリーニングをかけないとわからない場合も経験値としてはございます。


吉永
血圧だけ引っかかっている方でもみつかることもありますか。


渋谷
そうですね。高血圧、脂質異常症、糖尿病の3つの中で一番ひどいのは、脂質異常症と糖尿病が重なった状態ですね。特に糖尿病に関しては血管の内皮がすごいボロボロな状態という印象が多いです。


このガイドラインの中にプラークの大きさでどういう風にすべきかというフローチャートの記載があります。それを私共がわかりやすく書き直しました。高度狭窄の医療連携につなぐ基準に関しては、頸動脈に限らずしっかりエコーにかかわることに関しては全部のものに関して明確に決めています。ここを決めないとやはりなかなか適切な治療につなげられなかったり、ここを知らないと検査ができないということもございますので、この辺はこのような形でご提示させていただいております。


次にこれはとある施設の開業当初から2年のデータです。こんな感じで開業の初月に関しては月10件くらいの検査だったんですが2年たった時に大体90件くらいに伸びたというクリニックのデータになります。


吉永
依頼すると見つかるのが予想以上に多く、その後どんどん依頼するという流れになりますか?


渋谷

おっしゃる通りです。一般内科において検査が増えるか増えないかというのは頸動脈をやるかやらないかというのが一番大きくかかわってくきます。頸動脈エコーを生活習慣病に対して行うとなると一気に検査の回数が増えていきます。


私どもも契約させていただいた当初は頸動脈エコーを行っていく方針をヒアリングさせていただきますし、あとは先ほどの腹部エコーに関してもどういった症例に対して、様々な質問をし、他院様の状況とかも運用例を参考にしていただきながら、契約を進めていくという形になります。このような形で進めていくとだんだんと検査が増えていきます。月間例えば一般的な内科が200件ぐらい行われている先生中には、しっかりフォローの患者さんが7割8割占めている先生もいらっしゃいます。この内訳としてもやはり胆嚢ポリープや胆石などしっかり病名に対してしっかりフォローしていくと、必要なエコー検査をしっかり確保して増えていきますね。


渋谷

最後駆け足になりましたが、まとめとして、エコー検査を行う疾患を定めるということですね。何に対してオーダーを立てるかというところになります。あとは疾患ごとにフォロー期間、紹介の基準を定めるということになります。エコー検査を行う疾患を定めるといいましても先生達が常にアンテナを張ってなければいけないという状況になるかと思います。


ですので、先ほどのラベル機能でしっかりその患者さんのエコーが適用かどうかを判別できますし、これはエコーに限らずそういったところで先生がアンテナを張らなくてもしっかり落とさず検査をおこなえるというメリットの一つ思います。このエコーの検査で行うものをしっかり定めることとフォロー期間ですね。疾患ごとにフォロー期間や紹介基準の目安を定めるということで早期発見につながったり、定期来院につながったり、収益増加につながったりというところでエコーが活躍が出来ていると思います。


吉永
逆にこの二つを抑えれば毎回悩む心配がなくてルーティンになるということですよね。


渋谷

そうですね。当初にこういったルールを決めることのが最初大変かもしれないですが、後々のことを考えると効率化につながると思います、さらにラベル機能というところも有効になってくるんじゃないかなという風に感じております。


吉永

二つのうち上の方はラベル機能がもしかしたらある程度活躍するかなと思いました。


では私の方から次回の案内をさせていただけたらと思います。次は北小金クリニックの山下先生に、医師向けの問診表示カスタマイズについて伺えたらと思っています。お時間のある先生はご視聴いただけたらと思います。


では本日は渋谷様ありがとうございました。


渋谷

どうもありがとうございました。

Youtubeでも対談動画を掲載していますので、是非ご覧ください。