もう紙ベースの運用には戻れない!
メルプWEB問診は、診療の流れの一部として無くてはならない存在に
東京都中央区日本橋浜町にある、日本橋浜町耳鼻咽喉科様は、2017年の開院以来、一人ひとりの患者さんに日頃から気軽に相談していただける存在として、お子さん達の健全な育成や、大人の方の生活の質の向上に微力ながら貢献することをモットーにされている耳鼻咽喉科クリニックです。
コロナ禍でも患者さんに安心して来院してほしいとの思いから、患者さんの院内の滞在時間を減らすため、感染対策の一環として、2020年よりメルプWEB問診を導入されています。
導入当初、メルプWEB問診の運用状況について院長の許先生にインタビューへご協力いただきました。今回はその後の運用状況や、コロナ禍を経て感じられたメルプWEB問診の導入メリットなどについて、改めてお話を伺います。
前回のインタビューはこちら
「待合室の混雑が少なくなっただけでなく、治療の説明に費やせる時間が増えて、患者満足度が上がりました」https://monshin.melp.life/users/hamacho-ent-clinic/
現在のメルプWEB問診の利用状況について教えてください
ー 患者さんの9割がメルプWEB問診に回答
コロナ禍以降も、当院では来院される患者さんの9割以上が、メルプWEB問診に回答してくださっています。初診の方でも、めまいでの受診を除けば、3分程度で入力が完了する問診構成にしているため、ほとんどの方が負担なく回答できています。
高齢の患者さんでも、スマートフォンを使える方は問題なくメルプWEB問診を利用されています。
特に当院の場合、お子さん連れの保護者の方や働き世代の患者さんが多いエリアのため、比較的WEB問診への入力に対する抵抗感が少なく、この高い回答率を支えている要因の一つかもしれません。
ー 問診の入力に対して協力を促すことも大切
患者さんにとっても、私たち医療スタッフにとっても、「利便性」、特に予約システムとの連携は非常に重要な要素だと感じています。
当院で使用している予約システムの管理画面では、患者さんのメルプWEB問診の回答状況が一覧で確認できるようになっており、まだ回答がない方には、スタッフから回答を促すメールをお送りしています。
また、予約なしで来院された方にも対応できるよう、受付にメルプWEB問診のQRコードを掲示しており、その場でスマートフォンから問診に回答いただける体制を整えています。
紙の問診票では、予約の有無に関わらず来院後に記入していただく必要があるため、どうしても診察までの待ち時間が長くなりがちです。その点、メルプWEB問診を活用して事前に回答いただくことで、来院から診察までの流れが非常にスムーズになり、患者さんにとっても大きなメリットがあると実感しています。
来院後の患者さんの導線、スタッフのオペレーションについて教えてください
ー 予約システムとの連携で転記作業もスピーディー
当院では、患者さんが来院され、マイナンバーカードまたは保険証の確認とメルプWEB問診の入力が確認できた時点で、診察券を入れたファイルと共にそのまま診察室へご案内しています。待合室に患者さんがいなければ、来院からわずか1分ほどで診察室へ入っていただけるケースもあり、非常にスムーズな流れが実現できています。
電子カルテへの転記については、受付スタッフまたは医師が来院時に対応しています。メルプWEB問診は予約システムと連携しており、予約システムの管理画面からワンクリックで問診内容の確認が可能です。さらにBluetooth機能を活用することで、問診の回答内容をわずか数秒で電子カルテに転記できるため、入力作業の手間が大幅に軽減されています。
このように、メルプWEB問診の導入により診療のスピードと効率が飛躍的に向上し、患者さんにとっても医療スタッフにとっても、快適な診療体制を整えることができました。
カルテ作成、問診内容で工夫されていることはありますか?
ー 2時間かかっていたカルテ作成が、メルプWEB問診の導入で作成時間ゼロに
当院では土曜日が最も混雑する日となっており、時間予約制を採用しているものの、予約なしで来院される患者さんも少なくなく、診察はもちろんですが、カルテの入力作業がとても大変でした。
メルプWEB問診を導入する前は、診察中にカルテ入力まで手が回らず、紙の問診票に簡単なメモだけを残して、診療後にそれを見ながら2時間ほどかけてカルテの入力作業を行っていました。
他のクリニックでは、クラークにカルテ入力を任せているという話もよく聞きますが、当院ではメルプWEB問診の導入によって、そのようなことをせずとも診察終了時点で全てのカルテが完成している状態を実現することができました。その結果、診察後に残業することもなくなり、大変助かっています。
ー 事前の確認事項、症状の深堀りにメルプが活躍
当院では、年齢や性別、主訴に応じて必要な情報を事前に問診で詳しく確認ができるよう、メルプWEB問診を活用しています。
たとえば、小児の患者さんには、年齢・体重・集団保育の有無・薬の形状(シロップ、粉薬、錠剤)の希望に加え、花粉症やアレルギー性鼻炎で受診された方には点鼻薬や点眼薬の希望、アレルギー検査や舌下免疫療法などの希望も確認します。
大人の方には運転の有無、女性の方には妊娠や授乳の有無も問診で入力してもらうことで、診察時に一目で患者さんの希望や注意点を把握できるようになりました。
問診内容は「今何に一番困っているか」という主訴が最も重要ですが、SOAPの「S(主観的情報)」については、メルプWEB問診によってほぼ網羅できている状態です。
最近では、診察や検査、そして説明に時間がかかり我々耳鼻咽喉科医を悩ませる「めまい」で受診された方の症状を、より詳細に確認できるよう問診内容をカスタマイズしました。最初の「本日はどうされましたか?最も気になる症状を教えてください」という設問に対して「めまい」が回答された場合には、その性状(ぐるぐる回る・ふわふわするなど)、発症のタイミング、体勢との関連、誘因、随伴症状(難聴、頭痛など)といった詳細を追加で質問しています。
これにより、患者さんにはその分入力に時間をいただくことになりますが、診察室に入っていただいた時点でどんな疾患が疑われるか見当がつきやすくなりました。メルプWEB問診は、診療の効率化だけでなく、診療の質の向上にもつながる非常に有用なツールだと感じています。
ー メルプのおかげで、診療の説明に時間を費やせるようになった
「めまい」に対応するためのWEB問診は、今年(2025年)に入ってすぐに作成しました。めまいは原因が多岐にわたり、診断が難しい上に、問診にも時間がかかるため、先に申しました通り、我々耳鼻咽喉科医にとっては悩ましい症状の一つです。特に花粉症のシーズンに入ると診療がさらに忙しくなるため、その前に少しでも診療体制を整えたいと考え、問診の整備に取り組みました。
WEB問診票の作成作業は簡単ではありませんでしたが、以前は診察時間の都合で十分に聞き取れなかった内容も、メルプWEB問診を活用することで事前に細かく、かつ漏れなく情報を取得できるようになったのは大きな成果です。また診断や治療方針の説明にしっかり時間を割けるようになりました。これは診療の質の向上にもつながっており、何よりのメリットだと感じています。
また、患者さんの立場から見ても、口頭ではうまく伝えきれなかった思いや症状を、事前の問診を通じてしっかり伝えられることで、満足感を持っていただけているのではないかと思います。
耳鼻科目線で見た時の、メルプWEB問診導入のメリットをお聞かせください
ー 経営面では、診療単価の向上にもメルプが貢献
当院では、アレルギー検査や副鼻腔CT、舌下免疫療法、レーザー治療などを取り扱っています。最近では、重症花粉症に対する抗IgE抗体(オマリズマブ/ゾレア®)など、比較的高額な注射治療を希望される患者さんもいらっしゃいます。
こうした検査や治療の希望を事前に把握できるように、WEB問診の最後に「医師に伝えたい内容(希望する検査・治療など)がありましたらご記入ください」という項目を設けています。これにより、患者さん自身が希望を明確に伝えることができ、こちらから聞き出す必要がなくなるため、聞き漏らしも防げてとても助かっています。
全体として、メルプWEB問診は当院にとって欠かせないWEB問診システムとなっており、もはや紙の問診には戻れないと感じています。
最近では、日本語を話せない外国人の患者さんが来院される機会が非常に増えており、来院のない日がほとんど無いほどです。そのため、メルプWEB問診のオプション機能である「多言語問診」の導入も、今後の検討課題の一つと考えています。