【せごえ耳鼻咽喉科Part3】検査・治療の紹介を上手に挟み込む問診の作り方

【せごえ耳鼻咽喉科Part3】検査・治療の紹介を上手に挟み込む問診の作り方


【問診票作成でこだわられたポイント】
耳・鼻・のどと部位に分かれての問診
まず、主訴の問診ですが、耳鼻科なので、耳・鼻・のどの部位で分けていて、さらにその中で部位ごとに症状を聞いています。

また、耳・鼻・のど全部にまたがる症状(熱・咳など)は、切り出して表示されています。

耳の症状をクリックすると、細かい症状を聞く質問が出てきます。
鼻・のどの症状も同様です。


そして、例えば、耳の症状で耳鳴りを選択した際にはこのような質問が続きます。耳鼻科の場合は、発症時期・部位(左・右・両側)を聞いていることが多い印象です。


また、耳鳴りの音に関しては

・キーンという高い音の場合→聴力検査で高音が下がっている場合が多い
・ザー、ゴーの場合→聴力検査で低音が下がっている場合が多い
・ザッ、ザッの場合→拍動性かどうかを見ている

とのことでした。こちらは、私は知りませんでしたので、大変勉強になりました。

検査・治療の紹介を上手に挟み込む問診の作り方】
こちらは、せごえ耳鼻咽喉科の問診を見ていて、うまいなと感じたところですが、検査や治療の紹介を問診にうまく挟み込んでいます。

例えば、こちらの花粉症・アレルギーの症状を回答した場合には、途中で

「アレルギーの原因や程度を調べる血液検査を希望しますか?結果は1週間後で電話で説明します。」

「根本的にアレルギー(スギ、ダニ)を治す舌下免疫療法に興味はありますか?」

という問診が表示されていて、自然な形で検査や治療に関して案内しています。
また、アレルギー検査に関しては、結果は1週間後程度になるとあらかじめ表示しておくと、診察室でわざわざ説明する手間が省けたり、忙しい時に説明をし忘れることもあるかと思いますので、その時に患者さんからの「結果説明はいつになりますか?」といった後日の電話対応に時間を費やされる必要がなくなり良いですね。

他にも、声がれ・のどの異物感・飲み込みにくいなどの症状を選択した際には、このように、喉頭ファイバー検査について案内しています。


【睡眠時無呼吸の問診】
次に、睡眠時無呼吸の問診を見てみましょう。
瀬越先生に伺ったところ、無呼吸の検査・治療も積極的に行っているとのことでした。

当院では無呼吸の検査・治療も積極的に行っているため、選択式の問診で入っていくことができます。そこから、身長・体重を記載したり、主な症状(昼間の眠気、集中力の低下など)を選んだり、また現在困っていることを自由に記載できます。そして問診が終わった人には当院での検査方法、治療についての文章を読むように誘導していますので、短時間で効率よく診察が進んでいきます。

まず、身長・体重・睡眠時間を聞いています。
睡眠時無呼吸症候群のリスクは、BMIと相関がありますので、身長と体重より肥満体型かどうかを判断しているのだと思います。

また、飲酒やカフェイン摂取量についても質問しています。
飲酒やカフェインの過剰摂取は不適切な睡眠習慣につながり、これらを是正していくことが睡眠時無呼吸症候群の治療の1つとして重要なため、聞いているのだと思います。

最後に、睡眠時無呼吸で生じる症状を聞いていますね。
具体的には、いびきをかく・早期覚醒・熟眠感の欠如・日中の眠気・早朝頭痛・夜尿などです。

睡眠時無呼吸症候群に絞って、詳しい問診が表示されている感じですね。
医師が診察室で聞くような内容も盛り込まれており、診察前の記入情報で、医師にとって必要な情報がほぼ全て入ってくるという印象を受けました。


めまいの問診】
最後に、めまいの問診も見てみましょう。

まず、発症時期・繰り返すめまいか否か・持続時間・めまいの性状を聞いていますね。
めまいの性状に関して、回転性・浮動性・失神性を患者さん向けに分かりやすい表記に言い換えています。

回転性→ぐるぐる回る、まわりの景色が左右や上下に流れる
浮動性→ふわふわした感じでふらつく動性→ふわふわした感じでふらつく
失神性→立ちくらみ、目の前が真っ暗になる

次の、めまいの楽な向きに関する質問は耳鼻科ならではかな、と私は感じました。こちら、質問の意図を伺ったところ

めまいの楽になる向きは、説明する時に出来るだけ家でも楽になる姿勢を取ってください、と患者さんに伝えるためです。

左下が楽な場合は、家でもそう言う姿勢の方がめまいが出にくいですし、起きるときもそちら側から起きてくださいと説明します。

とのことでした。患者さんへの説明につなげているのですね。

「他に当てはまる症状」では、手足のしびれ、呂律が回らない・激しい頭痛など中枢性めまいの可能性を聞く選択肢を用意しています。

【前もって処方箋を準備できるような、定期薬希望者向けの問診】
次に、定期薬を希望される患者さんに対しての問診を見ていきます。
瀬越先生に伺ったところ、

月に1回、アレルギーなど同じ薬を処方している方などはあらかじめ何の薬が、何日分欲しいか、いつ来院するかを聞くことによって、前もって処方箋を準備することが出来ます。

とのことでした。

まず、休診のお知らせを表示しています。
休診日に来てもらっても、困りますものね。。。

欲しい定期薬の名前・種類(耳鼻科なので点眼薬・点鼻薬も出されますので)を具体的に聞いています。

「去年の花粉症の薬」では処方できません。

というコメントは面白いなと感じました。

確かに、去年の花粉症の薬と言われても、患者さんの電子カルテを過去に遡って処方薬名を確認しなければいけないですし、薬が合わなかったとかで変更していた場合には、結局どの薬を処方すれば良いか分からないので事前問診で聞いている意味がなくなってしまいますものね。

また、小児の粉薬の場合には体重によって処方量が変わってくるので体重を聞いています。

さらに、受診時間を聞くことで、前もってどのタイミングで薬を用意しておけばいいか把握できるようにしていますね。