【にいがた乳腺クリニックPart3】紹介状をスムーズに作成するための問診作成ポイント

【にいがた乳腺クリニックPart3】紹介状をスムーズに作成するための問診作成ポイント

2021年1月15日開催の第3回問診アカデミーで、にいがた乳腺クリニックの長谷川先生に乳がん術後地域連携パス問診作成のポイントを伺いました。

▼目次

  1. 患者さんが理解しやすい初診再診の記載
  2. 紹介状作成から逆算した既往歴・手術歴に関する問診
  3. 月経、閉経に関する詳細問診

患者さんが理解しやすい初診再診の記載


吉永
患者さん向けの問診について見ていきます。
まず『初診ですか?再診ですか?』で分かれていますが、「再診」についての但し書きを導入医院のみなさま、結構工夫されていますね。

先生のところでも、『再診とは、初診の後「同じクリニックへ同じ病気で継続して」受診することをいいます。』と表示されているのですね。

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長谷川
そうですね。再診が1年後とか、かなり先の何ヵ月後の経過観察といった再来の方もいらっしゃるためですね。
あとは、反対の胸の症状が出てきたというと、全く別で初診になりますので、そのように表示しています。
 
吉永
初診・再診に関して、医療機関側と患者さんとの間で認識がずれていたりしますよね。
小児科ですと、期間を決めて何ヵ月か経ってしまうと初診扱いをしたりしますよね。保険の関係もあると思いますが。

『初診』の項目を開きますと、まず『今までに乳房や胸部の手術をしたことがありますか?ペースメーカー挿入や豊胸術も含みます。』という質問をされているのですね。

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長谷川
そうですね。マンモグラフィーや全自動エコーの検査時、禁忌肢がないかどうかを確認するためです。選択肢として『豊胸術』や『ペースメーカー』など。
あとは、『乳頭ピアス』も金属を挟んでしまうのでマンモグラフィーはできません。
全自動エコーの機械も壊れてしまいますので、検査できませんね。
他には、『乳がん手術』をされていて、片方または両方のお胸がないのに、マンモグラフィーの検査にまわってしまうのは意味がないので聞いています。
 
吉永
検査する上で重要な項目になるため、最初に聞いているということですね。
 
長谷川
そうですね。皆さんに聞くことですので。


紹介状作成から逆算した既往歴・手術歴問診

 
吉永
なるほどですね。

次に『今までに手術歴(上記以外)や長期の入院をしたことがありますか?』と聞かれていますが『 例)18歳 盲腸手術』などのような但し書きを明記されているクリニックは少なくて、ユニークだなと思いました。
こちらは、但し書きがないと患者様はどういう風に書いたらいいのかわからないからという意図で添えていらっしゃるのでしょうか?

長谷川
私ががん拠点病院での勤務が長かったので、既往歴などのカルテ作成の時間を省けるようにという意図があります。

極力、がん拠点病院の負担を減らしたいというところから、手術歴や既往について、何歳のときに罹患したかまで書いていただくと、そのままコピペすれば紹介状に書けますし、更に追加で思いついたことがあればそこに追記いただければという形ですね。漏れがないようにこのような但し書きをしています。

 
吉永
事前に既往歴の情報がないだけでも、その場で書いていただくと5分以上かかってしまいますよね。
 
長谷川
そうですね。
 
吉永
『今まで乳腺の病気を指摘されたことはありますか?』の質問のところで、『例:20歳ごろ線維腺腫といわれた』などの但し書きを書かれているのは、患者様にとって親切だなと感じました。

長谷川
「若いころに〇〇と言われた」とか非常に多いです。それがあると分かっていて画像診断するのか、あるか無いか分からずに画像診断するのかで、全然精度が変わってしまいます。そのため、診断の精度を上げるという意味でも聞いていますね。
あとは、以前から指摘されているものがあれば、今回精密検査になっても同じ場所で同じ大きさだったら問題ないねということが言えますので。
 
吉永
なるほどですね。
『上記以外に、今までかかったことのある病気や治療中の病気はありますか?』の質問はで、糖尿病の場合は、インスリンの使用の有無について聞かれているのですね。

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長谷川
これは、乳がんだった場合の手術の際にインスリンの要否を判断するためですね。
乳がんを見つけたら、すぐにがん拠点病院に繋げてそこで治療をスムーズにいくように。
その中でチェックしなければいけない病気や薬剤が漏れないようにですね。
治療することを前提に作った問診なのです。
 
吉永
そうですね。ここで書かれていないと、そのままスルーされてしまって、ちょっと危ないですよね。

月経、閉経に関する詳細問診

 
長谷川
はい。

それから『月経の周期を教えてください。閉経の方は年齢もご入力ください。』の質問は細かく作りました。

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吉永
『閉経###歳』『手術や乳がんによる人工閉経###歳』と二つの選択肢に分けられているのですね。
 
長谷川
そうですね。子宮筋腫と子宮全摘した場合、両側卵巣残っている場合が多いので、ご本人は閉経といっても女性ホルモンとしては閉経していないこともあるので。
 
吉永
なるほどですね。初めて知りました。
 
長谷川
がんで子宮全摘であれば、両側卵巣を摘出しますが、子宮筋腫の場合は基本的に摘出しません。私たちは、乳がんの手術後のホルモン治療をしますし、乳房の痛みは結構女性ホルモンとの影響があるので、本当に閉経しているのかどうかは大事なことですね。

ご本人が閉経していると思っても、実は閉経の定義を満たしていないことも多々あるので、年齢も書いていただいています。
 
吉永
確かに一般内科ですと、ここまで聞いていないと思いますね。
 
長谷川
そうですね。
 
吉永
『現在ご妊娠中あるいは妊娠している可能性はありますか?ご妊娠中の方は週数もご入力下さい。』の質問は、内科でも質問されている先生は多いですね。
 
長谷川
『最終の月経開始日はいつですか?』という質問までするのは他の診療科目より細かいかもしれませんね。
妊娠中の方や不妊治療中の方も多く、マンモグラフィーを撮るので放射線被爆をするのでそのためですね。特にこの『不順』の選択肢にチェックされた方は気をつけていますね。
 
吉永


Youtubeでも対談動画を掲載していますので、是非ご覧ください。

【にいがた乳腺クリニックPart4】しこりの大きさに関して、患者さんにイメージしやすい問診とは? に続く。