【所沢あかだ整形外科Part3】症状部位に関して、はじめに幅広い範囲で聞いた意図とは!?

【所沢あかだ整形外科Part3】症状部位に関して、はじめに幅広い範囲で聞いた意図とは!?

2021年2月16日開催の第7回問診アカデミーで、所沢あかだ整形外科の朱田先生に、「整形外科・スポーツ障害のWEB問診作成方法」を伺いました。

▼目次

  1. 症状部位に関して、はじめに幅広い範囲で聞いた意図とは!?
  2. メルプの整数入力・カレンダー入力活用方法

症状部位をはじめに幅広い範囲で聞いた意図とは!?

吉永
続いて、患者向け問診に戻りまして、『初めての診察』を見ていきます。
『一番にみてもらいたい場所はどこですか?』という質問は、患者さんに寄り添っているなという印象を受けました。普通ですと、部位はどこですか?みたいな感じかなと思いましたが、聞き方がすごく優しいなと感じました。
 
朱田
患者さんって、整形外科の場合は、股関節以下は全部足みたいにおっしゃる方や、肩っていうと肩が腕で、我々がいう肩関節は首みたいな方もいたりするので、ある程度限定せずに幅広くしていますね。 

吉永
肩、腕、指先などと最初で分かれてはいなくて、『肩から腕』と一体で聞かれているということですね。 

朱田
そうですね。部位を限定して聞いた後に、スタッフ向け問診をした場合に、実はこっちですと二度手間になることがあったりしますので、このように最初は広い範囲で部位を聞いています。
 
吉永
『肩から腕』を選んだ後に、更に『肩の周り』『腕全体』などと詳しく聞くということですね。

朱田
はい。そうですね。
 
吉永
勉強になります。
症状については、単一選択で、『痛い』と『しびれている』2つは選択できないようになっているんですね。

朱田
いずれにしても問診でまた聞くので、とりあえず何が一番困るかを詳しく聞いています。
 
吉永
『痛い』を開きますと、『きっかけは思いつきますか?』と聞かれていまして、『いつ頃からの症状ですか?』の質問に対して、結構細かく選択肢を用意されていますね。
 
朱田
そうですね。
 
吉永
あとは、症状の経過と症状の程度の点数をつけられているということですね。
 
朱田
そうですね。とりあえずつけてもらって、診察の時もう1回NRS聞いています。
 
吉永
『腫れている』も同じ問診内容ですね。
『傷がある』は、『怪我はいつですか?』と時期を聞かれていますね。


メルプの整数入力・カレンダー入力活用方法


ちなみにメルプで、数字を入力できる機能があります。編集画面から『###週間前から』と#を3つにしまして、入力タイプを『整数』にしますと患者さんが数字を入力できるようになります。
 
朱田
えーそうなんですか。それいいですね。
 
吉永
もし良かったらお使い下さい。
 
朱田
了解です。
 
吉永
『スポーツの怪我ですか?』で『はい』を開きますと、結構細かいなと思いました。『レベルはどれですか?』というのはどういう目的で聞かれていらっしゃるんですか? 
競技によってその選手がどのくらいの期間で復帰したいかをある程度想像するために入力してもらっているのと、基本的には一般の人にも同じ説明をするんですが、多少熱量が変わったり、チームにトレーナーさんがおられたりすることもあるので、その辺りはここの質問で振り分けられるようにしています。
 
吉永
全国レベルの方は早く復帰されたいという思いが強いんですかね?
 
朱田
人による感じですけどね。僕らのところにはプロはあんまり来ないですからね。アマチュアの選手が多いですね。
 
吉永
『どの程度困っていますか?』という質問は、かなり具体的なわかりやすい選択肢かなと思いました。選択肢によって話す内容が変わるということですか? 
多少は変わります。どこまで検査したらいいのかを考えますね。病院やクリニックの大きな役目の一つはレッドフラッグをどう見つけるかということだと思います。
当院は子どもが多いので、不要であればレントゲン撮りたくないというのがあり、最低限必要な部分だけの検査をしています。ですので、問診である程度振り分けをできるかなという思いで作成しました。
 
吉永
ありがとうございます。『特に困っていない』という方には、不要であれば検査をしない場合もあるということですかね。
 
朱田
そうですね。レントゲンは不要であれば本当に撮らないですね。
 
吉永
ありがとうございます。あとは、身長と体重を聞かれていますね。
 
朱田
そうですね。これはもうめちゃめちゃ便利ですね。メルプのおかげで助かっています。
 
吉永
今、入力タイプが『テキスト』になっていて、患者さんがこれで例えば170cmとか入力していただけますが、『整数』にしていただいて選択式文言に『###㎝』としておけば、患者さんは数字だけを入力になるということもできます。
 
朱田
なるほど。でも患者さんはあんまり変わらなくないですか?
 
吉永
あんまり変わらないのですが、スマホで立ち上げた時にフリックの画面でテキストにすると文字が出てきてしまいますので、数字に変換する作業が大変かなと思いまして。
 
朱田
なるほど。ではそちらのほうが良いですね。
 
吉永
『整数×2』っていう機能がありまして、ここで例えば『身長と体重を入力してください』というふうにして、選択式文言に『###㎝ ###kg』とすれば、数字を二つ入力してもらうことができます。
 
耳鼻科の花粉症とかで、『症状の辛い時期はいつですか?』という質問で、回答に『###月~###月』というように使われていたりします。
 
朱田
それ結構良いですね。例えば、『次の大きな大会はいつですか?』とかにも使えますね。
 
吉永
はい。
あとは、自由記入のタイプに限ってなんですが、入力タイプ『日付』を選択するとカレンダーが出てきて、患者さんは日付を選ぶということもできます。
 
朱田
知らなかったです。ありがとうございます。
 
吉永
これで初診のところが以上ですね。次は『再診だが、新しい症状』について見ていきます。
内容としては初診と同じですか?
 
朱田
そうですね。大体一緒だと思います。
 
吉永
『一番にみてもらいたい場所はどこですか?』の質問で、選択肢の『とにかく全身』というのは面白いですね。
 
朱田
こちらを選択される方は疼痛感作だと私は思っていて、何かしら痛みの部位があって、その人にとって上手い説明がされていないとか、何かしらで不安感をどんどん増していって、疼痛感作が起きて、どんどんどんどんバランスが悪くなって、身体の安定性が欠けることによって、あちこち痛くなってくるっていうやつなので、私は割と知りたいところではありますね。とにかく全身痛いっていう方は、なるほどねという感じです。
 
吉永
ここからさらに質問を掘り下げて作成していくと、かなり多くなりそうな気もしますが、今はメルプの限界があるので、先生が対面で聞かれているという感じですか?
 
朱田
そうですね。例えば、慢性疼痛の方がいて、うつ病が併発していて、デフォルトモードネットワークをうまく使えてないってなったときに、その質問ってどういう風に聞いていったらいいのだろうとなるんです。患者さんに『集中できていますか?』とか、『集中しすぎていませんか?』とか、なんとなく漠然とした形式であったり、『瞑想する時間はありますか?』とかマインドフルネスみたいなことをすごく興味を持って知っている方もいれば、なんだその話はみたいな風になったりする方もおられますし、なかなか難しいですね。
 
吉永
ありがとうございます。最後の『当院への通院手段はどれですか?』は、どういう意図で聞かれていらっしゃるんですか?
 
朱田
これは、駐車場の台数の問題がありまして、車で来る方が大体どれくらいいるのかっていう割合をなんとなく肌感覚で知るために聞いています。
 
吉永
メルプの集計機能をここで使われていらっしゃるということでしょうか?

朱田
そうですね。

Youtubeでも対談動画を掲載していますので、是非ご覧ください。

【所沢あかだ整形外科Part4】紹介状・オペ記事の取り込みとしてのメルプOCR活用 に続く。