【株式会社PDS Part1】エコー検査を技師さんにお任せするサービス
2021年5月20日開催の第12回問診アカデミーで、株式会社PDSの渋谷様に「外来診療におけるエコー検査活用術」について伺いました。
▼目次
株式会社PDSの紹介:エコー検査を技師さんにお任せするサービス
患者向け資料機能を活用したエコー検査の案内
一次医療におけるエコーの有用性
一次医療におけるエコーの有用性
株式会社PDSの紹介:エコー検査を技師さんにお任せするサービス
吉永
簡単に会社の紹介を私の方でさせていただきます。株式会社PDS様はクリニックの超音波検査支援サービスをされてらっしゃいまして、現在関東地方を中心に100施設以上導入されています。
渋谷様は、診断放射線技師でありながら慈恵医科大学病院のほうに勤められてい2013年に会社を設立され、病院には、クリニックで診断がつかなかったり場合によっては手遅れになって来られる患者様が多いところを、より手前の一時医療のところでエコーをより活用できるのではないかという理念で、会社をつくられています。
エコー検査を専門の技師さんにお任せするサービスを展開されています。検査項目もほとんどのエコーを上から下まですべて対応していらっしゃいます。
では、メルプの方のラベル機能と患者お知らせ配信機能について紹介させていただきます。こちらは消化器内科の問診管理画面になります。まず、腹部エコーと頸動脈エコーのほうをPDS様のほうに依頼されていらっしゃいますので、問診とどのような形で紐づけされていらっしゃるかについて 見ていきたいと思います。
内科の問診で「おなかの病気の診察」の項目を開くと、どのような症状ですかというところで、「おなかが痛い」を選んだ人に関しては、患者様に事前にお知らせする腹部エコーの検査説明が紐づけられています。
次に右側の部分ですが、腹部エコーというのがラベル機能になりましてこの選択をした患者様にはクリニック側が見る問診一覧画面の患者様の問診のところに、腹部エコーのラベルがつきます。
もう一つ頸動脈エコーのほうは検診異常のところで、ラベル機能を使われています。検診結果で引っかかった項目を選択してくださいという欄で高血圧、脂質異常症、糖尿病、肝機能異常などに関して、上の三つに関しては頸動脈エコーで、肝機能異常、尿潜血に関しては腹部エコーという形になっていますね。
こちらは渋谷様と実際利用されているクリニックの先生と相談して内容を決められたという感じですか。
渋谷
そうですね。
吉永
生活習慣病の方は、頸動脈の方でプラークとか見つかる確率が高いためスクリーニングをした方がいいという意図で入れられていますか?
渋谷
そうですね。今月間全体としては4300件ぐらいのエコー検査を行っていて、その中で頸動脈エコーを月間千数百件を行っています。ですので、かなりの数を見ているのですが、事前の情報や生活習慣病の状態で、検査を行う前からこのくらいのプラークはあるだろうとか、高度狭窄がありそうというのが大体推測つくので、スクリーニングを入れています。
患者向け資料機能を活用したエコー検査の案内
吉永
ありがとうございます。
ラベル機能は任意の項目を設定できますので、今回のようにエコーの対象の人やコロナ疑いの人にラベルをつけるなど、様々な使い方ができます。
あともう一つ、患者向けお知らせ配信ですね。こちらは患者向けのお知らせ資料になりまして問診の回答を終えた終了画面のところにこのような資料を作っておりますと表示されます。
このクリニックでは、様々な説明を作成されています。例えば腹部エコーの説明を開きますと、株式会社PDS様が提供いただいている資料が表示されていますね。患者様からよくあるエコーに関する質問を事前に診察室でその場で質問を受けて答えるとなると時間がかかりますので事前にここで情報提供しています。図でも説明されていらっしゃいますので、患者様はどのような検査で何がわかるかというのをある程度把握していただいたうえでご来院されることになります。
頸動脈に関してもこのような形で、Q&Aのところがよく患者様から受ける質問ということですよね。
渋谷
そうですね。我々医療従事者にとっては頸動脈が動脈硬化を見るためのツールということは明確にわかっていますが、なぜ生活習慣病の方に頸動脈を行うかというところで、なかなか患者さんの理解も得難いところだと思います。ですので、こういった資料でどのように動脈を判定していくのかや、動脈硬化が進むとエコーで血管はどのように見えるのかに関しても資料で説明しています。
吉永
ありがとうございます。
ありがとうございます。
一次医療におけるエコーの有用性
吉永
次に、渋谷様から特に一次医療におけるエコーの有用性についてお話しいただけたらと思います。
渋谷
ありがとうございます。
まず私どもの活動内容を含めましてご説明させていただきます。
PDSは、Patient Doctor Satisfactionの略称で、患者様そして患者様を診られる先生に超音波検査を通して満足を提供したいという信念から、株式会社PDSを約8年前の2013年に設立しました。超音波検査支援サービスで活動しています。
一次診療において画像診断は生理機能検査の枠に入りますが、実際に画面に病気をうつすということで超音波検査を用いて病気を見える化して患者さんの満足度を上げていきます。サポート範囲は全国一都三県を中心になりますが、一部東北地方もあり山形県と福島県でもエコー検査のサポートをさせていただいております。
吉永
これは技師さんがクリニックに出張していく形になりますか。
渋谷
そうですね。移動型検査室というイメージを持っていただけるとわかりやすいと思います。大学病院レベルの高度な検査レベルを各クリニック様の眠っている装置を用いて検査を行っています。
吉永
そうなりますと、クリニックの持っているエコーの装置によって古いなどの要因でで左右されそうですね。
渋谷
そうですね。場合によっては10年前ぐらいの装置もあります。もちろん新しい装置のほうが、鮮明に見えるので病気を描出しやすいですが、一番大事なのは現在の技術や知識になると思います。ただ、契約当初装置が古かったとしても検査を行える状況を作っています。数年後には装置を更新していただいて最新の装置で行っています。
吉永
依頼されるクリニックで眠っているエコー装置は多いですか。
渋谷
そうですね。実際に一次医療の現場を見ますと想像していた以上にエコーは、活用されていないですね。開業される一般内科の先生たちの9割5分は購入しているけれども活用されていないことが多いです。
吉永
想像がつきます。
渋谷
こちらは、私どもが起業した当初の2013年6月から2021年2月までの検査数になります。2021年の4月は4200件程でした。コロナでという状況があったとしても検査としては過去最高を記録しておりますし、検査の需要は非常に増えているという実感がございます。
注目すべき点は2020年の4月ですね。一番最初に緊急事態宣言が出た時期になります。3500件くらい行っていた検査が初めて2500件くらいに初めて3割程低下しました。これはやはりコロナの影響で患者さんも受診を控えましたし、先生自身も検査をお勧めするのを控えたということがあります。ですが去年の5月の段階でも逆に2500件キープできていたとと捉えています。
吉永
接触するというのを感染のリスクと捉える先生もいたということですか。
渋谷
そうですね。私どもも個室の中で患者さんと二人というところで、今以上にシビアになっていましたね。
病気を可視化するということは、患者さんによりストレートに伝えるということですので、先生も診断のツールとしてかなり重宝できるものだと思いますし、実際胆嚢結石はどのように存在するのか、プラークが実際血管がどのように詰まっているのかなど患者さんにしっかり説明するというツールとして活用していただけると思っています。
そして先生も効率的に的確な診断につなげていただいているという状況です。整形エコーの領域は行っていませんが、一般内科として行う検査としては全身を網羅しています。
Youtubeでも対談動画を掲載していますので、是非ご覧ください。