【物忘れ外来】介護主治医意見書作成を見据えた問診作成方法とは!?(樹のはなクリニック作成)
▼目次
- 物忘れ外来の問診だけを切り分けた意図
- 主治医意見書作成を見据えた問診
物忘れ外来の問診だけを切り分けた意図
吉永
まず、こちらの物忘れ外来の問診だけを切り分けて作成された意図を教えていただけますでしょうか?
奈良岡
当院では、物忘れ外来をやっておりまして、色々なお困りごとがあって患者さんが来院されますので、個別に作成しました。
30分枠で診察していますので、診察室で口頭で話されるとデータの記入で時間を取られてしまいますので、事前に色々なデータをいただく必要があり最低限こちらの問診の項目だけは入れていただくようにという目的で作成しています。
いかにして、ご本人とご家族の悩みを聞きたいので、このような形式にしました。
吉永
なるほどですね。こちらは、認知症や軽度認知症の方々が対象となるのでしょうか?
奈良岡
そうですね。
大体、ご本人よりも圧倒的にご家族の方が書かれることが多いですね。
吉永
確かに、ご本人は認めていなくてご家族が連れてこられるというケースも多いですよね。
ですので、一番最初に「ご記入される方はご本人ですか?」という質問を用意して、「本人・家族」の選択肢を用意されているということですね?
奈良岡
割と、40代50代の方の気にしていまして来院される方もいらっしゃるので、本人という選択肢も用意しました。
家族の場合は、同居もしくは別居している息子さん娘さんが記入されますね。
「その他」というのは、ケアマネージャーとか、患者さんが一人暮らしで一回診てもらった方がいいのでは?ということで連れてこられるケースですね。
吉永
ありがとうございます。
次に続く、治療歴、輸血歴、家族歴などは一般的な質問を用意されていますね。
奈良岡
そうですね。基礎疾患がないかどうかなど聞いています。
吉永
職歴も聞いているのですね。
奈良岡
そうですね。主婦をされていたのかとか、学校でずっと教えられていた方なのかとかで、それによって、こちらの口調や質問の内容なども変えていかないといけないので、色々と失礼があってはいけないので、聞いています。
吉永
なるほどですね。いかに事前に情報収集するかということですね。
メルプWEB問診を導入する前はどのようにして対応されていたのですか?
奈良岡
一応、問診票はありまして、事前に家族が紙の問診票を取りに来てFAXで送ってもらっていました。
それを、今度事務の方がスキャンして書き写すのは、時間がかなりかかるのでペーパーレスにしたいという思いがありました。
また、ご家族の方は50-60代の方が多いですので、こうしたWEB問診の記入は出来るのですよ。でしたら、WEB問診で記入していただこうということで、WEBに切り替えました。
主治医意見書作成を見据えた問診
吉永
ありがとうございます。
あと、家族構成や介護保険申請なども聞かれていますね。こちらは介護状況を事前に伺うということでしょうか?
奈良岡
そうですね。
やはり、介護保険申請していない人もいて、物忘れ外来受診された際に、介護保険申請したいという患者さんもいらっしゃるのですよ。そうすると、こちらで準備する内容も変わってきますので、質問していますね。
吉永
受けているサービスも質問されていますね。
ケアマネージャー、デイサービス、ショートステイと全て網羅されている感じですね。
奈良岡
主治医意見書を書く際にある程度この辺も知っていないと書けないので、聞いていますね。
ADLも質問しています。
吉永
そうですよね。「車椅子や杖はご利用になりますか?」はADLの項目ですよね。
買い物や金銭管理、排泄排便などもそうですね。
奈良岡
そうですね。利き手に関しても、主治医意見書で記載項目がありますので聞いています。
ここである程度事前に聞いておくと、主治医意見書作成が必要になった際にすぐ書けるので便利ですね。
あと、こちらの「精密な検査をご希望されますか?」の質問ですが、最初から精度の高い検査を希望されるかどうかもし分かっているとすると、ご本人が看護師と奥で話をしている間に、ご家族の方とどの程度検査希望されるのかを聞けますので聞いていますね。
吉永
確かに、ご家族の方で必ず頭部MRI検査をして欲しいという方もいらっしゃいますものね。
奈良岡
ありますね。かなり精度の高い検査をしてほしいという希望があると、検査を対応している病院の目処をつけて、先に予約を取っておいて、診察を終えて帰る頃には全て完結しているという状態を目指しています。
吉永
なるほどですね。
「介護保険申請を当院で希望されますか?」という質問がありますが、後々、介護保険申請お願いしますと言われたりする場合もあると思いますので、事前に伺っているということでしょうか?
奈良岡
そうですね。ご家族も何回も診察のために時間を取れない方もいらっしゃいますので、一番初めの時点で介護保険申請に必要な情報はご記入いただくように促しています。
吉永
大変参考になりました。
本日は、お忙しい中、ありがとうございました。
Youtubeでも紹介していますので、是非ご覧ください。