【ぐんぐんキッズクリニックPart3】メルプ集計機能活用:人気クリニックは、新患比率がだいたい10%以下で推移しているところが多い?
2021年2月1日開催の第4回問診アカデミーで、ぐんぐんキッズクリニックの松田事務長に、来院経路を詳しく分析できる問診作成のポイントを伺いました。
▼目次
- メルプ集計機能の活用
- WEB問診にしてから「その他」にも自由記入してもらえるようになった
- メルプ問診は事務長やスタッフが作成
メルプ集計機能の活用
吉永
それでは、ぐんぐんキッズクリニック様の問診集計をみていきます。
まず、メルプの集計機能というのがありまして、使っている先生は結構使われていただいています。
このような形で任意の問診の項目を月ごとにグラフで表示をすることができます。
例えば、こちらは初診と再診の内訳になります。
先ほどの一番上の質問で、『当院を受診されるのは初めてですか?』という質問がありましたが、はいを選択した方が水色、いいえを選択された方が黄色でグラフ表示されます。
グラフを見ますと、再診率がすごいですね。ほとんどの方がリピートで来られているということですね。
松田
そうですね。当院は、初診再診、来院経路、再診の方向けの『前回の続きですか?』という3つの質問だけ集計しています。
私がどうしても経営的な側面で集計をとりたい項目ですので、集計結果を反映するようにしてもらっています。
吉永
ありがとうございます。では、上から見ていきます。
ここまで再診の方が多いというのはすごくびっくりしました。
初診の方が多いクリニックが多いと思いますけれども、それだけ満足していただいて、リピートして通い続けていらっしゃるということでしょうか?
松田
そうですね。本当にこの初診・再診の率と、来院経路に関しては最も重視しています。
新患と再診患者の比率と、全体の数のバランスが大事かなと思っています。定着率の高い人気のクリニックは、新患比率がだいたい10%以下で推移しているところが多いです。
僕が知っている耳鼻科で最も人気あるクリニックだと5%以下です。
ただ、新患比率が低いのに、1日の総来院患者数も少ないというのは、完全に伸び悩んでいるクリニックさんです。そうなったときには、認知の部分、例えば広告を増やす、HPのSEO、MEOを高める対策をとらなきゃいけない等、もしくはその認知の部分のアクションがそもそも正しく届かないようなアクションになってしまっている場合もあるので、正しい認知をしてもらわなければならないということです。
逆に新患率が2、30%とか、今時だと80%いく内科もあるかもしれません。
一概には言えないですが、開業後半年以内だったらおのずと新患率が上がります。
コロナに準じてPCR検査希望の患者さんが増えたなど、バックボーンは何なのか、きちんと把握しなければなりません。把握した上で、それでもやっぱり新患比率が高い場合は、認知はされているけど定着のアクションが足らないということです。
例えば、スタッフの接遇、診療のスタイル、その他で利便性、予約システムを導入してみる、今だったら紙問診よりはWEB問診のほうが患者さんのニーズが高いので、そういったシステムを導入してみるなど、定着マーケティングをしなければいけない等、そういう目線でこの新患再診の率を見るようにしていますね。
吉永
詳しくありがとうございます。5%以下というのは衝撃的でしたね。
来院経路の集計結果も拝見させていただきます。
先ほどの来院経路の選択肢が一覧にありまして、かなりカラフルになりますけれども、これもグラフで見ることができます。
松田
ここは重点的に見る項目を主眼においてかなり見ていますね。
WEB問診にしてから「その他」にも自由記入してもらえるようになった
吉永
なるほどですね。
松田
こちらはWEB問診を使ってからの副産物でしたね。紙問診が、患者さんにとって時間がない中での作業を強いていたという事がよく分かるのが『その他』だと思います。
紙問診のとき、『その他』にマルをして、詳細を書かない方が結構いらっしゃったんです。WEB問診にしてから、『その他』にチェックをつけていただいた方には内容も記入してもらうようにしているので、それで新たに発見できることがたくさんありましたね。
例えば、保育士さんや、市役所からの紹介など、最初僕たちが予想していなかった紹介元もあるんだなと思いました。
『当院スタッフの知り合い』や『当院HP』など上に選択肢があるのに、『その他』にチェックして自由記載に書いてくれる方もいます。
紙問診だったら『その他』にマルだけされていたので、HP見て来てくれた方という数値から一つこぼれ落ちていっていたんですよね。アナリティクスの管理画面でも見ますが、こういった形で『その他』にくるということは、そのこぼれ落ちる部分を上手くフィルタリングできているのかなという部分で、本当に紙問診とWEB問診で違うと思いましたね。
吉永
なるほどですね。
最後に『前回の続きですか?』の質問の集計ですが、これは何のために見られていらっしゃるんですか?
松田
再来率も重視しています。治療が当たっている当たっていないとかではなくて、平均来院回数をいかに保つかという部分で、メルプさんの集計が簡単に目視で判断できるので使わせていただいています。こちらの集計で出た数字を重くみるということはないですね。カルテからもきちんと平均来院回数を出しています。
メルプ問診は事務長やスタッフが作成
吉永
ありがとうございます。
今、Youtubeのライブチャットの方で『問診は事務長が作成されているのですか?医師も操作されてますか?』という質問が届いています。
松田
メルプを導入する当初は、私が作っていました。紙問診を転記しつつ、医師の意見を参考にして作成しましたね。新たに増やした項目もありました。
今はスタッフが問診を変更したり修正したりしていますね。
私がいじるのは基本情報、来院経路のGoogleマップをたしましたとかその辺ですね。
疾患に関しての問診は、基本的に僕はノータッチです。
吉永
なるほどですね。ありがとうございます。
もうひとつ『来院患者様には毎回必ず入力いただいているのでしょうか?』と質問いただいていますね。
松田
『当院を受診されるのは初めてですか?』の質問に『はい』と答えた方は基本情報から入力していただいていますが、新患以外は『いいえ』を選択いただくので、基本情報の部分は入力しない形になっています。疾患の部分だけ毎回記入していただいていますね。
吉永
ありがとうございます。
もう一つ『貴院のHP上で「受診予約」と「WEB問診」のタブを並べておられますが、WEB問診のみ送信され、結局来院されないような患者様はいらっしゃいますでしょうか?』という質問もきております。
松田
今、予約のスタイルを変えているんですが、現状は『WEB問診』のみ送信されて来院されない、もしくは逆の『受診予約』だけされて『WEB問診』を送信せずに来院されるというパターンは、当院の予約スタイルだと0%です。100%どちらも揃った状態になっています。
当院は、スタンバイ予約という形をとっていて、予約画面で予約をとっていただくことが、今日受診したいですって言う手挙げにしかならないようにしています。順番の番号も取れなければ、時間の枠に予約がとれるわけでもなくて、あくまでも手挙げの予約です。
手挙げの予約と『WEB問診』の二つが揃った方にクリニックから電話をします。
『WEB問診』の内容をもとに電話でトリアージをして、風邪症状があればコロナ疑いかどうかっていう切り分けをした上で、時間を15分単位で指定をして来院をしていただくという形です。
どちらかが足りない状態が10分、15分と続けば電話連絡を入れますので、必ず揃った状態になります。
現状の予約スタイルをとる前、時間・順番予約をメインでやっていた時は、『来院予約』はしているけれど、『WEB問診』を送信していないという方はまれにいらっしゃいました。逆に、『WEB問診』だけ送信して、『受診予約』は取られていないという方はいらっしゃらなかった記憶があります。
Youtubeでも対談動画を掲載していますので、是非ご覧ください。