【所沢あかだ整形外科Part2】看護師と鍼灸師が活用するスタッフ問診
2021年2月16日開催の第7回問診アカデミーで、所沢あかだ整形外科の朱田先生に、「整形外科・スポーツ障害のWEB問診作成方法」を伺いました。
▼目次
- 患者さんの希望に合わせた選択肢の作成
- 看護師と鍼灸師が活用するスタッフ問診
患者さんの希望に合わせた選択肢の作成
吉永
『前回の診察の続き』のところで、結構選択肢が分かれていらっしゃいますね。
『前回の続き(お薬)』を開きますと、『時間がないのでお薬だけ欲しい』『診察で聞きたいことがある(書ける範囲でお書きください)』とありますが、患者さんの希望に合わせてコミュニケーションも変えるということですかね?
朱田
ある程度はそうですね。
吉永
内科などでも高血圧で血圧の薬だけ貰いに来る人もいて、渡してくれさえすればいいという方もいらっしゃいますね。
他の選択肢は、症状の経過を簡潔に聞かれているという感じですかね。
朱田
そうですね。
吉永
『前回の続き(超音波検査)』は、『血管』とかもされているんですね。
朱田
はい。下肢動脈と、腹部大動脈瘤のルールアウトですね。。『腹部』はほとんど腎結石、尿管結石ぐらいです。
吉永
ありがとうございます。『前回の続き(骨粗鬆症)』は、確かに整形の領域ですよね。内科の先生も処方されていたりしますけど。
朱田
そうですね。
吉永
選択肢『注射薬に変更したい』は、確か注射薬も月1回とか色んなパターンがありますので、患者さんの希望ありそうですね。
朱田
骨粗鬆症の方は割とご高齢の方も多くて、メルプを使ってはくれるんですけどちゃんと細かく見てくれないことも多くて、骨粗鬆症の選択項目を選んで、ここまでちゃんと回答してくれる方は割合としては比較的少ないかなという印象はあります。
看護師と鍼灸師が活用するスタッフ問診
吉永
なるほどですね。1つ質問がきています。
『スタッフ構成が分からないので恐縮ですが、スタッフ向け問診はPT、OTなどが使われていますか?』
朱田
看護師と鍼灸師ですね。
私は、北米でフェロードクターをやっていたのですが、それを想定したものになっています。向こうで外来やっていると、ボスがいてフェローが何人かいて、レジデントがいます。
フェローは、術後とか再診のフォロー以外の新患を診る時、一応ボスに患者さんの状態を説明して、こうすればいいのかとかとを伝えます。
私もそれと同じ体制を所沢に作ってみた感じです。当院は診察ブース2診体制でやっているのですが、1診でスタッフが初診の問診をメルプを使いながらやって、もう1診で私が診察をします。私が知りたい内容が電子カルテの中にある程度メルプを通して入っていると楽だなというイメージで作りました。
吉永
ありがとうございます。
スタッフ向け問診の『肩』を見ますと、部位も結構細かく表記されていますね。症状についての『結滞困難』というのは初めて知りました。看護師さんはこれを通じて勉強も兼ねているというのもあるんですかね?
朱田
そうですね。鍼灸師の教育も含めてですね。でも他の先生からすると一般的なところだと思うので、割とすぐに慣れますね。
吉永
ありがとうございます。『既往』について、いくつか選択肢がありますが、患者さんが理解できる用語で聞いて、裏ではこれで打ち込むということですかね?
朱田
そうです。
吉永
スタッフ向け問診をかなり活用されていらっしゃるなという印象を受けました。
これは先生が例えば『肩』について、この症状をまず把握しておきたいということで作られているということですか?
朱田
そうです。
吉永
他の項目も見ていきます。基本的に『部位』と『症状』という感じですね。
朱田
そうですね。診断のアルゴリズムとして使う感じですね。大体出てきたサインを見て診断名が想像つくようにというイメージで作っています。
吉永
例えば『肘』の『肘部管tinel』というのは、患者さんに動作をしてもらって、それで所見があるかないか見る必要があると思っているんですけど合っていますか?
朱田
そうです。一応、侵襲的な手技になるので看護師が行うようにしています。
吉永
ただの聞き取りだけでなく、実際に可動域制限など動かさないといけないと思いますので、看護師さんがこれを見ながらあるかないかを問診とっているということですね。
朱田
ざっくりとしたところはそうですね。
吉永
ありがとうございます。スタッフ向け問診をこのように使われている医院様は少ないですね。
『手首』の項目を開きますと、『母指球萎縮』『バネ指』とかは目で見てですかね。
基本的に、部位と症状を聞かれていて、既往歴も部位によって回答選択肢が異なりますね。
朱田
そうです。私が考える病名に近づくための質問項目っていう形になっているので、
もしかするとスポーツや関節を専門とする医者向けの質問項目になっていて、脊椎とか腫瘍とか小児の先生が聞くとまた違う質問項目になるだろうなと思います。
吉永
なるほどですね。
もう一つ下記の質問が来ています。
『スタッフ向け問診が充実しているので、カルテ記載が短縮されていますか?』
朱田
これが意外とそうでもないです。先ほどの話に近いかもしれないですけど、以前までの病院でも本当2~3行で完結するカルテを書かれる先生もおられますし、長い文章を書かれる先生もおられると思うので、これはその先生のスタイルだと思いますね。
私の場合は、どちらかというとその患者さんの症状なりその機能障害がどこからくるのかっていうのを見つけてしまいたくなるので、どうしても症状とか経過など、どこら辺に不安定を感じているのかを細かく残すので、カルテ記入時間はどうしてもメルプの問診内容だけで終わるってことはないですね。
吉永
ありがとうございます。
もう一つ下記の質問がきています。
『電子カルテは何台で、タブレットは何台で運用されていますか?』
朱田
電子カルテは診察室に2台、バックヤードに1台あります。タブレットは、受付に3台、バックヤードに1台あります。受付でメルプの問診をしてもらって、この問診が終わった段階で、バックヤード側に患者ファイルが回ってくる形になっています。その後、初診の問診をするスタッフが患者さんを処置室なり診察室に呼び込んで、第二階層問診をとってそれを電カルに飛ばして、その段階で僕の診察ができる状態が整います。ペーパーレスですが、患者さんのやりとりはラミネートしたファイルを使用しています。
吉永
基本端末2台、電子カルテ2台で運用されているということでしょうか?患者問診のタブレットで、それを飛ばす電子カルテと、スタッフ向け問診は処置室などでとられて、その結果をその場所にある電子カルテで飛ばすみたいな感じですか?
朱田
そうです。
吉永
患者様にタブレットを貸し出す場合には、もう一台その時は必要になるという感じですかね?
朱田
そうです。貸し出し用のタブレットが何台かあって、でも直接メルプと接続するのは電カル1台だけです。
吉永
患者向け問診とスタッフ向け問診も合わせて、同じところの電子カルテに飛ばして、電カルに保存しますと、院内の電カル全てに情報が共有されるというわけですね。
朱田
そうなります。